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相撲甚句(袖師)

西久保相撲甚句保存会

鹿島神社例大祭で甚句を奉納する西久保相撲甚句保存会のみなさん(平成20年)

昭和59年に袖師地区まちづくり推進委員会が作成した「袖師地区相撲甚句集」が市立図書館にある。

明治22年(1889)横砂、嶺、西久保の三村が合併した袖師村となった。その後、昭和22年(1947)には村から袖師町となり、昭和36年(1961)に清水市へ編入合併した。

袖師地区内に三つしかない自治会は、かつての村落の名残とも言える。それぞれの村には氏神様がある。横砂は廬崎神社、嶺は神明神社、西久保は鹿島神社だ。「袖師地区相撲甚句集」は三つの相撲甚句を記録した冊子だ。

袖師町(嶺)、西久保、横砂と順番に紹介する。

相撲甚句保存会

相撲甚句は、大甚句、二上り、七ツ拍子と三つに分かれる。それぞれに所作が違うが、どれも五穀豊穣に感謝する意味が込められている。

●袖師町相撲甚句保存会

■大甚句
▼行司

あゝ祝えよ、目出たき
(トコシヨイ)
今日比の好き日
(トコドッコイドッコイ)
嶺によ咲いたる、そうりゃ比の健児
(トコドッコイドッコイ)

▼嶺の風

あゝやぐらよ、太鼓に、朝目をさます
今日はよどの手で、そうりぞ投げてやろ


▼相染川

あゝけいこよ、角力なら、負けてもやろうが
今日はよ、初日で、そうりゃ負けられぬ

▼神風

あゝさしたよ、盃中見て上がれ、中にゃよう
お角力さんが、そうりゃ土俵入り

▼行司

コラ、裸じゃ、お国の礼儀にそわぬぞ
(全員)コラ、おいらの裸は天下御免だ!
(トコドッコイドッコイ)

▼沖ノ森

あゝお角力よ取りとは、大きな鳥よ
四本よ柱の、そうりゃ中に住む

▼嶺南

あゝ五尺よ身体に、力が湧くよ
共によ唄うか、そうりゃ今日の日を

▼富士ヶ嶺

あゝ障子を開ければ、角力場が見える
可愛いよ、お角力さんが、そうりゃ砂まみれ

▼一葉松

あゝ踊るよ皆様、唄の節を換えて
聞いてよ、聞きよい、そうりゃ二上りと

■二上り

▼行司

あゝ目出度 目出度が度(サッコラ)重なりて
(トコシヨイ)
庭にや鶴亀よ、五葉松
(トコドッコイドッコイ)

▼神風

あゝ清見潟から袖師ケ浦(ラッコラ)見れば
松が見えますよ、一葉松

▼神明川

あゝお角力取るよな活発(ツッコラ)人と
添うて、一苦労してみたい。

▼嶺南

あゝ千両取るとも役者(ヤッコラ)乞食
角力取りゃ、天下のよ男伊達

▼相染川

コラ三間、間口の土蔵倉建つより
コラ良いかゝ持つ方が、一生の得だよ!

▼富士ケ嶺

あゝ咲いた桜に何故駒(マッコラ)つなぐ
駒が勇めばよ、花が散る

▼沖ノ森

あゝ雨がしょぼしょぼ降る蛇の目の唐傘小田原
提灯駒下駄腹いて、どっこい姐さん今晩は、
来たかと思えばよ、大晦日の掛け取りが

▼一葉松

あゝさあさここいらで、切替(エッコラ)まして
今ですたらぬよ、七ツ拍子

▼神風

コラ深山御山の、椎の木や枯れても
コラ貴女とそう気だ!(トコドッコイドッコイ)

■七ツ拍子

▼神明川

あゝ唄い讃えよ、嶺青年角力よ
あゝ明治四十五年夏、時の元老井上候、若葉の香る庭園に、
東宮の君御迎えし、青年角力を催して良き一日をすごされぬ。
我が先輩もこの会に召し出されて参加せり。
肉弾相打つ勝負をば、尊き御身かしこく終日台覧遊ばさる。

あゝ光栄は限りなき、高き誉れを受けつぎて、体育角力は年重ね、
発展向上続けつゝ、こゝに六十有余年、若人我等日本の国技
角力にいや励み、強き体躯を養いつ、青年角力の発展に、
いざや進まんよほほい そうりゃもろともに。

▼袖師ケ浦

あゝ嶺は楽しき平和の郷によ、あゝ常盤木香る神明の南はるかに
展けたる、実り豊けき田園はこれぞ我等が理想郷、
東に富士を仰ぎつつ霞流れる伊豆を見つ、三保の松原清見潟、
詩情溢るる四季景、米麦野菜茶にみかん、農産物の産多く、
石油造船、製材に工場の生産亦著し、この郷人の和やかさ、
隣人愛に結ぱれて、日々の暮しも安らかに郷は伸ゆく栄え行く、
かくたのもしき村郷に生れいでたる青年の、
幸多くして団結の力は強く固きかな。

今や思想は改まり、文化国家の建設に自由の鐘は高く鳴り、
青年我等のたつときぞ。いざや協力一致して共に進まん一筋に、
今日の良き日を神前に誓いを捧げてよ、ほほい。そうりゃ励ぱや。

▼嶺の風

コラ姐さん惚れたか
コラこの子に惚れなきや、惚れよが薄いぞ!

▼亀甲山

あゝ祈れ参れよ今日この良き日よ、あゝ縁も深き亀甲山、
氏子眼下に見下して、鎮座まします神様は内宮外宮の二柱、
神明宮と称えられおそれ多くもかしこくも、我が日の本の基なる
国の礎、築かれし拠契の神の上なるぞ。
この神様の御威得は、田畑の耕作始めとし、
養蚕飼育に機織に、民の福利の増進にあまねく業を授けられ、
貴くゆかしき神なるぞいでや目出度き今日の日を神木茂る神殿に
氏子ら数多集りて今日の祭りもにぎやかに奉納角力も盛大に
其の霊徳に報ゆかし、東白めば薫風の渡る御山の遠近に響く
太鼓は千代の音、やぐら太鼓の音色さえ平和平和と聞ゆなり、
あな尊しや神明宮来りて詣でよ氏子らよ目出度き今日の祭典に
祈れや区内のヨホーホイそうりゃ安全をよ。

▼行司

コラ那須の与市が扇の的を射たならばこコラ要がはずれて
チラリ パラリ!

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神明神社境内にある「袖師町相撲甚句記念碑」。毎年8月1日の例大祭では子ども相撲が奉納される。


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